家庭教師の先生は借金まみれ
なんてなかなか想像できないことだ。
実際、私の生徒や親御さんも、きっとそんなことは微塵も感じていないだろう。
身なりは小綺麗にしているつもりだ。
穏やかな口調で、おそらく善人そうに見えるに違いない。
生徒にも比較的好かれているのではと自負している。
ところが、先生である私は、今月の家賃を払えるかどうかも危ういほどに困窮している。
お金にルーズな人間だからといって、人に教える立場である事が不適切なわけではないだろう。
しかし、職業や立場にはどうしても潜在的なイメージというものがつきまとう。
そういう面でいうと、私は先生にはふさわしくないのかもしれないと感じることがある。
36歳を迎えるまでには、「立派な先生」になりたいと考えている。
今度こそ、きちんとした大人になりたいのだ。